5分でわかる『聲の形(こえのかたち)』

聲の形(こえのかたち)とは?

・『聲の形』は、大今良時による日本の漫画。最初の作品が45Pで『別冊少年マガジン』2011年2月号に、リメイクされた作品が61Pで『週刊少年マガジン』2013年12号に掲載された。『週刊少年マガジン』にて2013年36・37合併号から2014年51号まで連載。単行本は全7巻。

・2015年版『このマンガがすごい!』オトコ編で第1位、『マンガ大賞2015』で第3位を獲得した。第19回手塚治虫文化賞新生賞受賞作。2015年には全日本ろうあ連盟監修のもと道徳教材化され、30分の実写DVDが東映より発売された。また2016年には京都アニメーション制作・山田尚子監督によりアニメーション映画化され、全国公開された。

・聴覚の障害によっていじめ(嫌がらせ)を受けるようになった少女・西宮硝子と、彼女のいじめの中心人物となったのが原因で周囲に切り捨てられ孤独になっていく少年・石田将也の2人の触れ合いを中心に展開し、人間の持つ孤独や絶望、純愛などが描かれる。物語は2人が小学校時代における出会いの回想から始まることになる。舞台となる地名は架空のものが用いられるが、作中に描かれる風景は主に岐阜県大垣市をモデルとしている。

表紙画像・出典:https://www.amazon.co.jp/聲の形-1-講談社コミックス-大今-良時/dp/4063949737

あらすじ

“退屈すること”を何より嫌う少年、石田将也(いしだしょうや)。
ガキ大将だった小学生の将也は、先天的に聴覚障害を抱える転校生の少女、西宮硝子(にしみや しょうこ)へ無邪気な好奇心を持つ。最初はちょっとしたちょっかいで終わっていたイタズラが次第に将也を中心にしていじめへと変わっていく。しかし、クラス内で硝子の補聴器を壊した犯人探しが始まった際に担任が将也を名指しで叱責。その頃から、クラス全員将也に関わるのをやめ、そしていつしかいじめられる側へとなっていく
 孤立した原因が硝子のせいだと将也は硝子に掴み掛かり喧嘩。数日後、硝子は転校してしまう。

 その後、中学に進学するもかつての友達が将也の噂を流し、将也の孤独は長く続いた。そして高校に進学し、5年の時を経て別々の場所で高校生へと成長。将也は5年前、小学生時代に伝えられなかったことを伝えるために硝子に逢いに行きます

 そのあと錯綜する主人公たちの想い、衝撃的な展開…
 これは、ひとりの少年が、少女を、周りの人たちを、そして自分を受け入れようとする物語…

映画「聲の形」公式サイトより

主な登場人物

石田 将也

 本作品の主人公。
 小学生時代の将也は粗暴なガキ大将タイプの少年。耳の聞こえない硝子に、好奇心からいじめを行ってしまう。元々、退屈を極度に嫌い、それに対抗するかのように河川に飛び込んだり自分より体格の大きな者に喧嘩を売ったりするなど度胸試しを好む悪癖があり、硝子へのいじめもその延長線上に過ぎなかったのだが、それがあまりに度を過ぎたものになって学級裁判にかけられ、クラスから断罪される。
 学級裁判以後、スクールカースト下位に転落した将也は、それまで仲が良かったクラスメイトから手のひらを返すようにいじめを受けるようになり、それとは対照的に、いじめていたり取っ組み合いの喧嘩までしたりしたにもかかわらず最後まで自分を見捨てずに友達になろうとしてくれた硝子の優しさに気付くが、時すでに遅く、硝子は転校により学校を去っていた。名のある高校に進学しても、過去の罪から孤立し、母親が払った補聴器の弁償代を立て替えた後は自殺を考えていた(硝子と友達になったため思い直した)。
 硝子への謝罪と感謝の気持ちを伝えようと、将也は独学で手話を学びながら硝子を捜し、ようやく5年後、高校3年生になった硝子と再会する。

西宮 硝子

 本作品のヒロイン。
 先天性聴覚障害を持つ少女。障害の程度は重く、補聴器をつけても会話はほとんど聞き取れず、発話も不完全で他者には内容が聞き取りづらい。
 母親の方針もあって、小学校は特別支援学校ではなく普通校でのインクルージョン教育を選択するが、度重なるいじめを受け、将也のいた水門小学校のあとは、同校での担任だった竹内からの強い勧めもあって特別支援学校に移った。
 小学校での硝子は、クラスに溶け込み友達を作ろうと努力するが結局うまくいかなかった。特別支援学校への転校以降、将也と再会するまでは孤独で内向的な生活を送っていた模様だが、将也との再会後は、小学校時代の旧友との交流が復活するなど、めまぐるしい人間関係に翻弄される。
 幼い頃からコミュニケーションでの失敗経験を繰り返したため、他人と意見をぶつけあうことが苦手で、周囲と摩擦が起こったときには愛想笑いでごまかすことが多かった。結果としてそれが「周りに相談もせずに身勝手なことをする」といった印象となることも少なくなく、クラスメイトから敬遠されていく遠因ともなった。

上画像小学校時代、下画像高校時代

評価・感想

 小学校時代いじめの加害者だった主人公が自分もいじめられ、いじめていた硝子の気持ちと優しさを知る。そして再会の冒頭から自分の犯した罪を知り反省し、硝子へ謝罪をするために再び硝子と出会う主人公。という設定からこの漫画は始まる。いじめを題材にした漫画は多いが加害者を主人公にした漫画はそれほど多くはない、そしてただ加害者で終わらせるのではなく、人として成長し反省し謝罪に赴く主人公にはどれだけ愚かな人間だとわかっていても同情ながら少しずつ主人公を許していける話になっている(読者目線)。 
 しかし、罪滅ぼしのために過去の友達と硝子を再び再会させたり、手話を覚えたりと罪滅ぼしとはいえど硝子のために動く主人公だがまだ冒頭の段階では硝子にきちんと謝罪ができていない。この漫画を読んでいない人はぜひ購入し主人公の聲から出る謝罪の言葉にも注目してもらいたい!

聲の形のここが面白い!


⇧いじめっ子だった石田将也が高校生になり、西宮硝子に謝罪する (C)大今良時/講談社

 硝子をいじめた直接の原因ではないが、筆談やジェスチャーでもできた会話を主人公は一度も取らず、喧嘩というぶつかり合いでしか会話ができなかった。そんな主人公が手話を通して硝子を理解し彼女の言葉や思いを知り、また反対に自分の言葉で過去を謝罪する主人公の姿にこの漫画の題名である「聲の形」というものが凝縮されているような気がした。

評価点:86点
しょーり

しょーり管理者 兼 ライター

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