『コウノドリ』の評価・感想 産科医越しに見える幾つもの生命誕生の奇跡!

コウノドリとは?

  • 『コウノドリ』は、産婦人科を舞台にした作品で、2012年35号から『モーニング』(講談社)で連載中。連載開始当初は短期集中連載としての形であったが、2013年春から正式な連載が始まった。
     
  • 2015年、第39回講談社漫画賞・一般部門にノミネート、2016年、第40回講談社漫画賞・一般部門受賞。累計部数は2015年9月時点で150万部を超える
     
  • 2008年に作者の鈴ノ木が妻の出産に立会って感動し漫画化を企図したことから始まり、当時大阪大学病院で妻の担当医だったりんくう総合医療センター泉州広域母子医療センター長(2015年現在)の荻田和秀産婦人科医が主人公のモデルとなっている
     
  • 2015年10月から実写テレビドラマ化され、同年12月まで放送された。2017年10月から第2シリーズが放送中(201712月現在)
     

 

表紙画像・出典:https://www.amazon.co.jp/コウノドリ-モーニング-KC-鈴ノ木-ユウ/dp/4063872270

あらすじ

 主人公の鴻鳥サクラ(こうのとりさくら)は、妊婦さんに安心を与える「産婦人科医」熱狂的なファンに支えられる「ジャズピアニスト」という二つの顔を持っている。しかし、本業はあくまで産婦人科医。ピアニストとしての演奏中であっても、コールがかかれば勤め先の「ペルソナ総合医療センター(産婦人科)」にとんぼ返りという忙しい毎日を送っている。

 サクラの勤める産婦人科に訪ねてきた妊婦、そして妊婦が身籠もる胎児にはさまざまな事情があり、生まれる命もあれば、断つ命もある。さらには妊婦の受け入れ拒否や、未成年の妊娠などの社会的問題、マタニティーブルーなどの精神的問題、夫のDVや虐待など、多くの問題に直面するもサクラは一人の産科医として冷静に臆せず向き合う。

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コウノドリ (1)
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出産は病気ではない。だから、患者も家族も安全だと思い込んでいる。毎年この産院で行われる2000件の出産で、約300件の出産は命の危険と隣り合わせだ。その小さな命が助かることもあれば、助からない時もある。100%安全などあり得ない。それが出産。年間100万人の命が誕生する現場から、産科医・鴻鳥サクラの物語。
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主な登場人物

鴻鳥サクラ(こうのとり サクラ)

 本作の主人公。産婦人科医で、謎のジャズピアニスト「ベイビー」でもある。男性。
 温厚で優しい性格だが、現実を直視する厳しさもあり、冷静な判断力を持つ。可能である限りは患者の話をよく聞くが、時に患者に対して苦言を呈する事もある。同僚や患者からの信頼が厚い産婦人科のチームのリーダー的な存在。
 「ベイビー」の素性として「年齢経歴は不明 わかっているのは児童養護施設で育ったということだけ」とあり、事実鴻鳥は児童養護施設で育っている

 

評価・感想

 普段あまり馴染みのない赤ちゃんの誕生という事柄を産科医という職業を通じて知ることのでき、また考えさせられる漫画。
 作中では愛を持って出産に全力を尽くす妊婦、中絶を望む未成年の妊婦、赤ちゃんに異常が見つかり諦めざる負えなくなった妊婦など、問題を抱えた妊婦や赤ちゃんに主人公が産科医として接していくのだが、全ての話に共通することは出産には奇跡と感動が詰まっているということ。そして妊婦とその家族、赤ちゃんの状態まで考えると出産はどれも一意にはならず決して何もかもが安全な出産はない
 たった一つのトラブルにより順調に育ってきた赤ちゃんが死産となってしまう恐れがあること、そしてそのリスクは決して低いものではないことをこの漫画は痛いくらいに教えてくれる。

「帝王切開がなければ産科医はいらないのでは?」そう言った妊婦に対して、「確かに何もかも安全なら産科医はいらない、でも出産は何が起こるかわかりませんから。」と主人公は言う。
出典:https://punipuni-log.com/kounodori-kansou/

 時には非情な決断をしなくてはならない産科医の世界だが、感動的な場面がやっぱり印象的。
 また、出産という一つのテーマに対して産科医と妊婦一対一の話だけでなく、金銭的な問題や病気、産科医や妊婦を取り巻く環境など、産科医の世界を多角的な目線で触れていくためこの漫画は知識本としての価値も兼ね備えている。この漫画を読んで、憧れを持ち産科医を目指そうと思う人がいてもおかしくない、そう思えるほどの良漫画だ!

赤ちゃんを産んでも育てられないと言う妊婦に対して「生まれてくる赤ちゃんがいれば全力で助ける」と一言。
出典:コウノドリ 1巻より

 

コウノドリのここが面白い!

 「子供を孕り、お腹で育って時期がたったら生まれてくる。」コウノドリを読む前は出産というものに対して適当な知識だけしかなく特に心を揺さぶられる何かを感じることはなかった。しかし、いざこの漫画を読むと出産という誰もがいつか通るであろうテーマということもありどこか他人事にはできず、漫画を読み進めていくにつれて、生命の誕生一回一回にただただ感動するばかりであった。
 たかが漫画と思えないリアルさがそうさせているのかもしれない。この漫画は新しい世界を開いてほしいという意味で出産を経験したことのない女性、そしてこれからも出産を経験することのない男性にこそオススメだ!

無脳症で一人目の赤ちゃんを諦めざる負えなかった夫婦だったが、二人目は異常もなく無事出産。
出典:http://www.moae.jp/comic/kounodori/4
評価点:83点

 

 

しょーり

しょーり管理者 兼 ライター

投稿者プロフィール

ライターのしょーりです。

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