『ダブルアーツ』の評価・感想 手を繋がなければ死んでしまう?? 名作打ち切りファンタジー

ダブルアーツとは?

  • 『ダブルアーツ』は、古味直志による日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)2008年17号から41号まで連載された。3巻で完結。  
     
  • 古味の初連載作品であり、小学生の頃から連載用に構想を温めていた。古味は連載開始にあたり、「読んだ人が元気づけられたり勇気が出たりしてくれれば」とコメントしている。
     
  • 打ち切りになったため中途半端な所で話は完結し、多くの謎が残ったままになった。
     

表紙画像・出典:http://www.ebookjapan.jp/ebj/134504/volume1/
 

あらすじ

 未知の奇病「トロイ」が蔓延する世界で少女・エルーは、自らもトロイに感染しつつ、感染者の毒を吸引する巡回僧(シスター)として患者に治療を施し続けていた。シスターの宿命として長く生きられないことを冷静に受け止めつつ、トロイの無くなる世界を夢見ていたが、帝国南西部にある街・タームでの治療の帰り、ついに彼女はトロイの発作を起こす。エルーが死を覚悟したその時、絵描きの少年・キリが偶然彼女の手を取ったことで、エルーの発作は収まる。
 キリは、エルーに触れてもトロイに感染しないばかりか、エルーに触れている間は彼女の発作を止めることができるという特殊な体質を持っていた。シスター協会の指令を受けて、二人はキリの体質を解明するためにシスター協会本部へ向かうことになるが、シスター協会からその間は「一切手を離してはいけない」と言われる。
 

気になったら試し読み!

 
ダブルアーツ (1)
古味直志 集英社
380円 (税別)
あんたがこの手をとったらオレはもう絶対その手は離さない!!死の病「トロイ」が蔓延する世界――巡回僧のエルーは、病の発作を起こし死にかけた所を少年・キリに救われる。何故か彼と“手を繋いでいる間”だけは発作を止められることがわかり…!?同時収録/読切『island』
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主な登場人物

キリ・ルチル

 本作の主人公。洋裁屋の息子。16歳。生まれつき特殊な体質を持ち、トロイに感染しないばかりか、トロイの感染者に触れると、その感染者の発作を止めることができる。このほかに、他人と手を繋ぐことで手をつないだ全員の肉体機能を強化することもできる。
 発作を起こして倒れたエルーを偶然助けたことから、エルーとずっと手を繋ぐことになる。突然の出来事に動揺することなく、生きることに諦めを持つエルーを諌める心の強さを持つ。
 芸術の才能を持ち、家には絵画や彫像などが置かれている。

エルレイン・フィガレット

 本作のもう一人の主人公。通称「エルー」。16歳の少女。シスター協会コード4003。
 髪の毛が不自然に立っているが実は寝癖であり、寝相も非常に悪い。幼いころ「トロイ」に感染したが、耐性が強く発病しなかったためシスターとなった。シスターの宿命を受け入れ、20歳までは生きられないという諦めの気持ちを持ちながらも、シスターとして患者の治療を続けていた。
 タームの街での治療の帰りに発作を起こすが、偶然キリと出会ったことで一命を取り留める。その後、シスター・マーサより、キリをシスター協会へ連れて行くことと、その間は一度も手を離してはならないことを命じられる。

 

この漫画の特徴

謎の奇病が蔓延する世界でエルーは奇病に感染しない少年と出会う

 未知の奇病「トロイ」、正式名称を「透過病」といい、感染した人間は名前の通り体が透過し存在を失うという病気である。その病気を一時的に抑える役を担うシスター・エルー。病人の手を握り、トロイを吸収することで病人を助けるが、それは一時的に回復させるだけであり、しかも処置をしたシズター自身が命を縮める行為であった。
 ある日、エルーは病人のトロイを回復させた帰りにトロイを発症してしまう。しかし、颯爽と現れたキリに触れられると病気が触れている間だけ回復した。
 なぜ?理由は不明だがキリはシスターだけでなく世界中の人を救う可能性を持っていることからエルーと常に手を繋ぎながらシスターの集う協会本部へと向かうことに。
 


出典:ダブルアーツ 1巻より

 

ガゼル(悪者)に立ち向かうエルーとキリ

 シスターを狙う謎の暗殺集団・ガゼル。キリとエルーに何度も襲い掛かり、二人は命の危機にさらされる。しかも手を繋いでいるため逃げるのにも戦うのにも不利。


出典:ダブルアーツ 1巻より


 

 キリの友である武道に優れた民のスイや武術に優れ伝説も数多く残してきたファランの護衛により守られるも限界があったため、キリとエルーは手を繋いだままダンスのように戦う双戦舞(ダブルアーツ)を習得し敵と対等に戦う!(見せたのは漫画終盤の一瞬だけなんだけどね・・・)
 


出典:https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/wind_gamemei/20171019/20171019000625.jpg


 


出典:https://i0.wp.com/www.kokoro-fire.com/wp-content/uploads/2017/10/cdn-ak-f-st-hatena-com-20150424003457.jpg?resize=400%2C313

評価・感想

 ジャンプの打ち切り漫画史上これほど打ち切りが悔やまれた漫画は他にはないだろう。その証拠に打ち切り漫画と検索するとダブルアーツの名前が必ず上がってくる。実際に読んでみると確かに登場人物のキャラもそれなりに濃く、旅の目的もはっきりしているので物語に入って行きやすい。そして、男女が手を繋いで旅をする展開や手を繋ぎながら戦う描写は、迫力こそないものの斬新であり、危機感も適度にありつつで序盤は期待感が持てた。

 ただ、面白いと思えたのは序盤と終盤のみ。終始設定を出し惜しみして敵キャラの目的がはっきりしなかったり、主人公・キリの不思議な能力もよくわからなかったりで双方に対し魅力が薄れていっている。小学校から考えていた作品ということで構想はあったのだろうが週刊連載のスピード感に乗り遅れたことが打ち切りになった原因の一つだと感じた。

 そして終盤。ネタバレではあるがキリが本当はエルーに一目惚れしていたという事実が明らかになり、キリの魅力が高まると同時に、序盤鐘がなっていたのにキリがエルーの発病にすぐ気づいた謎が明らかにされ読者の印象に強く残った。(最終話の印象に可能性を見出した担当が次回作に恋愛漫画(=ニセコイ)を描かせた?)

 残念ながらこの漫画が面白いかどうかについては3巻程度でははっきりと評価できない。ただ、再連載を望む声があることは確かであり、もし叶うのならばアプリの漫画などでもいいので是非とも続きを見せてほしいと個人的は思っている。
 

評価点:50点

 

しょーり

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