『星野、目をつぶって。』の評価・感想 根暗男とギャル女を繋ぐはメイク!?

星野、目をつぶって。とは?

  • 『星野、目をつぶって。』は、永椎晃平による日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)にて、2016年19号から連載中。
     

表紙画像・出典:http://www.ebookjapan.jp/ebj/369113/volume1/

あらすじ

 仲間内で自分たちは友達であるということを確認すること、そして目に見えない教室内のルールに縛られて学校生活を送ることに気持ち悪さを感じている主人公・小早川。そんな小早川は案の定クラスメイトには名前も憶えられてない日陰者だった。
 ある時、クラスの人気者達のグループに絡まれるも小早川はその明るいノリについていけず、しまいにはグループ一番の美女である星野海咲に「そんなんで何か楽しいことあるの?」と吐き捨てられてしまう。放課後そんな彼らへの怒りを爆発させるように美術室に篭り、自分を笑った奴らの似顔絵を描き美術の先生である弓削先生に評価されるのが日課だった。

 帰宅途中、小早川は川を流れている野良猫を助けるために橋から飛び降りようとする星野に出くわす。チャラチャラするしか能がない奴らの一人だと思っていた星野は意外にも熱いやつでそんな星野の熱に当てられた小早川は猫を助けるために川に飛び込むも、川は深く、溺れかけてしまう。しかし、間一髪のところジャージを着た女に助けられなんとか助けられる。何も言わずに立ち去ろうとするジャージ女を見て小早川はなんとなく川に飛び込んでメイクの落ちた星野であるとわかった。
 次の日、弓削先生に頼み事を頼まれていた小早川が早く登校し美術室を訪れるとそこには先生とすっぴんの星野。弓削先生の頼み事とは自分の代わりに星野のメイクをしてあげてほしいとのことだった。波乱に満ちた小早川と星野の関係が始まる。
 

気になったら試し読み!

 
星野、目をつぶって。 (1)
永椎晃平 講談社
通常400円(税別)
冴えない美術部員・小早川は、人気者のギャル・星野の超地味な素顔を知ってしまい、成り行きで化粧がド下手な彼女のメイク係をすることに! クラスの地位は月とスッポン、性格は水と油。最初は衝突ばかりを繰り返す二人に、分かり合える日はくるのか……!?
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主な登場人物

小早川(こばやかわ)

 本作の主人公。人とかかわりを持たない根暗な青年でクラス一の日陰者。美術部所属。
 海咲との出会う前は寝たふりをして過ごし、クラスメイトに名前を覚えられずにいた。ある日、川に流されたネコを救出した際に、小早川自身が溺れてしまったが、謎の女性に救出される。実はその女性は、すっぴんの海咲であった。海咲のすっぴんを知ってしまったこと、そして憂さ晴らしに描いた星野の似顔絵の上手さを見込まれ、美術部顧問の弓削から海咲のメイクを依頼される。

星野 海咲(ほしの みさき)

 本作のヒロイン。生徒たちから人気の高いギャル。
 同じ高校の美術教師・弓削とは歳が離れているが幼馴染みであり、彼女のことを「お姉ちゃん」と呼び親しんでいる。中学デビューと同時に弓削にメイクをしてもらったことで、皆から注目を浴びて友達が増えるなど環境が一変したため、すっぴん姿の自分を知られたら友達が自分から離れていくのではないかという不安から、人前ですっぴん姿を見せることを頑なに拒んでいる。
 小早川との出会い、彼がネコを救出するために川に飛び込んだ後、すっぴんの状態で彼を救出したが、逆に自分であることを知られてしまう。

弓削 彩乃(ゆげ あやの)

 小早川と松方が所属する美術部の顧問。海咲の幼馴染で、海咲のことを「みーちゃん」と呼んでいる。
 小早川に海咲のメイクを依頼するまでは、海咲のメイクを中学校入学時からずっと施していた。「美人で・何でも出来て・話が面白い」ため、男女問わず生徒からの人気が高い。小早川が腹いせのために描いた『ムカつく奴らの似顔絵』の中にメイクをした海咲の似顔絵を見つけ、その描写の上手さに感銘を受けたことがきっかけで、小早川に海咲のメイクを依頼する。
 昔は絵画展入選を目指して職に就かず創作活動に没頭し、出展しては落選を繰り返す日々を送っていた。

 

この漫画の特徴

星野のメイクを頼まれる小早川

 星野の似顔絵、そして星野のすっぴん姿を知った小早川は美術部顧問の弓削先生に幼馴染であり小早川と同じクラスメイト・星野海咲のメイクをするように頼まれた。弓削先生がこれから忙しくなるため星野のメイクをすることが難しくなるということからだった。
 最初はメイクを嫌がった小早川だったが星野が昔、地味だった自分がメイクをきっかけに仲間の中心に入ることができたことから、メイクをしなければ周りが離れていってしまうのではと考えていること、そして”自分の生き方を変える気はない”という強情な星野の意見に押し負け小早川は星野のメイク担当を請け負うことにした。


出典:星野、目をつぶって。 1巻より


 

星野、目をつぶって

 星野のメイクを請け負った小早川だったが、自分や同じ美術部部員の松方に対してはうまくメイクができるのに星野だけにはうまくできず失敗ばかりしてしまっていた。どうしてもうまくできないことを弓削先生に打ち明けると過去のトラウマが原因ではと指摘された。
 小早川には確かに小学校時代、人気者だった同級生がいじめられていき自分は何もできなかったというトラウマがあり、馴れ合い自分の意見を持たず周りに流された自分、そして周りが気持ち悪いと思い始めた。そして、星野もまた周りの意見に流されて自分を決してまでメイクを望んでいるのでは?と心のどこかで思っていたため、星野にうまくメイクができなかったのだった。
 しかし、星野はメイクで変わった自分を周りのご機嫌をとることではなく自分の心の支えとしていることを知った小早川は星野に憧れを持つと同時に、メイクを完璧にこなせるようになる。


出典:星野、目をつぶって。 2巻より


 

評価・感想

 冴えない主人公・小早川が人気者のギャル・星野のすっぴん姿を知ってしまい、成り行きで彼女のメイク係をすることになってから主人公の日常や人間関係が大きく変化していくというラブコメディー漫画。秘密を共有する関係、小早川がいなければメイクができず星野は人前に顔を出せないという主従関係より、本来であれば相見えるはずのない根暗な小早川とギャルの星野が関わってドキドキするようなまさにラブコメ的展開が面白い。
 しかし、この漫画の面白さはそれだけではなく主人公の抱える悩みやトラウマにある、”周りの目や考えにあわせ、流されることが当たり前の目に見えないルールに従い自分の考えをなくしていないか?”という問題提起がなかなかに深く、考えさせられる内容となっている。そして周囲を気持ち悪いと思っているだけだった主人公が星野と不良との喧嘩を大勢で野次る生徒を見てついに爆発。言葉は荒いが主人公の言葉は一部の野次馬たちの心に響き、彼らのアイデンティティを復活させる。


出典:星野、目をつぶって。 2巻より

 思春期男女にありがちな悩みの1つである自分はどういう人間なのかどういう人間であるべきなのかという悩みを真正面から題材にした漫画。学生生活を淡々と流れるように過ごしてしまった、過ごしている人には是非ともオススメ!

評価点:68点
しょーり

しょーり管理者 兼 ライター

投稿者プロフィール

ライターのしょーりです。

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