『漂流ネットカフェ』の評価・感想 漂流先で再燃する恋!そして命がけのサバイバル!

漂流ネットカフェとは?

  • 『漂流ネットカフェ』(ひょうりゅうネットカフェ)は、押見修造による日本の漫画作品、また、それを題材としたテレビドラマ作品。『漫画アクション』(双葉社)2008年18号より2011年8号まで連載された。
     

表紙画像・出典:http://www.ebookjapan.jp/ebj/15018/volume1/

あらすじ

 妊娠中の妻・ゆきえと、些細なことからケンカしたサラリーマンの耕一。仕事帰りに豪雨に見舞われ、偶然立ち寄ったネットカフェで中学時代の初恋の人・果穂と再会する。しかしその直後に停電が起き、その場に居合わせた人々とともに、ネットカフェは異次元に飛ばされてしまう。
 翌朝ネットカフェの外に出ると、見慣れた街は消え、代わりに湿原が辺り一面に広がっていた。果たして、耕一たちは元の世界に戻れるのか?
 

気になったら試し読み!

 
漂流ネットカフェ (1)
押見修造 双葉社
500円 (税別)
エロと純愛が同居する独特の作風で、多くの支持者を持つ押見修造「漫画アクション」連載の最新作。ふと入ったネットカフェで初恋の人に再会した土岐耕一、29歳。再会を喜ぶふたりだが、ネカフェの外の街が消えてしまった。宿命のふたりの他にネカフェに居た、オタクや暴力男、生意気な小僧やギャルにサラリーマンなど、日常では接点が無い人々を巻き込んで繰り広げられる、突発的空間断絶ラブストーリー!!
ebookjapan BookLive! 楽天

 

主な登場人物

遠野果穂

 本作のヒロイン。 土岐耕一の中学生時代の同級生であり、思い人。
 中学時代に耕一と一番仲のよかった異性であり、果穂自身も当時耕一に好意を抱いていた節がある。
 年後、偶然立ち寄ったネットカフェで耕一と出会い、不思議な世界に漂流してしまう。

土岐耕一

 本作の主人公。中学時代に好きだった遠野果穂を度々思い出しては思い出に浸っていた。
 会社は入社8年目で妻とお腹の中にいる子供を持つが、同僚からの付き合いの悪さを指摘された事や、妻がヒステリックになっていることもありストレスが溜まっていた。そんな時、偶然立ち寄ったネットカフェで15年ぶりに遠野果穂と再会。その後不思議な世界に漂流してしまう。

土岐ゆきえ

 主人公の妻。妊娠五ヶ月で気が立っており、耕一に強く当たる事があった。
 友達の紹介で耕一と出会い、意気投合。付き合ってわずか一年で結婚し、子供を授かった。

 

この漫画の特徴

かつての憧れの女子・遠野との再会

 妻は妊娠五ヶ月でヒステリック、同僚との付き合いもどんどん悪くなり、色々と溜まっていた主人公・土岐耕一はある日の会社帰りにネットカフェに寄った。妻にガミガミ言われることを嫌がり帰ることに躊躇したために寄っただけのネットカフェだったが、そこには中学の時に憧れていた遠野果穂がいた。
 遠野果穂は中学のころ耕一が一番仲良く、そして強く憧れていた女子であり耕一は彼女との再会を喜ぶ。そして喜ぶあまり、この夜の時間が過ぎていってしまうことを強く嫌がったのだった。


出典:漂流ネットカフェ 1巻より


 

主人公の願いを叶えるようにネットカフェは不思議な世界に漂流!?

 遠野との会話に夢中になっていると突然ネットカフェが停電となった。さらに携帯は圏外になりネットも繋がらず、外は大雨で外は浸水。家に帰れず連絡も取れない状況で耕一は仕方なくその夜をネットカフェで過ごすことにした。
 次の日、耕一は遠野に起こされ目を覚まし、ネットカフェの中に人の気配がないことに気づきネットカフェの外へと向かうとそこにはネットカフェを利用していた客と何もない荒野が広がっていた。突然の状況に慌てる客たち。耕一も例外ではないが、遠野のおかげで落ち着きを取り戻し、この場所が何なのか、そして元の世界へ戻る方法を模索していく。


出典:漂流ネットカフェ 1巻より


 

漂流からの不安から暴れる者が!

 ネットカフェがどこかの世界に漂流してしまった・・・。その事実を受け止めきれずに無害な人を殴りつける寺沢。この状況を利用して気に食わない上司を殺し、近くにいた女を犯す松田。一部の人間の身勝手な行動で漂流した全員が巻き込まれ人が死に、殺されたりとネットカフェ生活は少しずつ悪い方向へと向かっていってしまう・・・。


出典:漂流ネットカフェ 1巻より


 

評価・感想

 あまり数は多くなく展開や設定が難しいが、うまく話を作れれば読者の不安感と次の展開を予想させないワクワク感を生み出すことのできる漂流系漫画。この漫画ではネットカフェでの漂流、昔から一番好きだった女性とともに厳しい環境に置かれるといったこれまでにない設定と好きな女性と同じ境遇になるという感情移入しやすいテーマでの内容となっている。
 ちなみに、漂流系の漫画で見たい時給自足だったり、未知の敵との遭遇、そして元の世界へ帰る方法を模索するシーンはこの漫画にはほとんどない。自給自足はネットカフェの設備が回復したり食べ物がたくさんあったりということで漂流した先でどう生きるかについては描かれず、未知の敵との遭遇も不思議な生物はいるものの恐怖を与えるほどの生物はいない。さらに、帰る方法を探す展開についても漂流した先の世界を知る気は序盤あるもののある程度外の世界に足を進めたところで人間同士の殺し合いが起きたりなどで結局原因と帰宅方法について何も知ることができずに終わる。
 その後、声の大きい人間がネットカフェを牛耳り、様々奇行を繰り返すという展開に移行。グロやエロがふんだんに盛り込まれ、絵的には面白いが漂流系漫画を読みたいがためにこの漫画を読んだ人はコレジャナイ感を感じることだろう。
 
 しかし、この漫画での漂流は漂流した状況を主にしているわけではなく、好きな人を守ろうとする主人公の活躍、そして昔好きだった人と妻・子をこの漂流の機会で改めて天秤にかけた主人公がどちらが大切なのか苦悩する内容が主であり、漂流についてはさほど気にならなかった。それどころか、漂流した理由についてもつながる部分でもあり、話全体として一本道になっていることを踏まえるとカテゴリにとらわれず制作しきったことは英断であると感じた。
 ネタバレはできないのでふわっとした表現となってしまったが、主人公と同じように愛さなくてはならない人がいるにも関わらず、過去に好きな人を思い出してしまうような人(多分男性のほとんど)には超オススメの漫画だ。

評価点:81点
しょーり

しょーり管理者 兼 ライター

投稿者プロフィール

ライターのしょーりです。

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