『ザ・ファブル』の評価・感想  天才殺し屋が休業し一般人になると…??

ザ・ファブルとは?

  • 『ザ・ファブル』は、南勝久による日本の漫画。2017年、第41回講談社漫画賞一般部門を受賞。

表紙画像・出典:http://www.ebookjapan.jp/ebj/305819/volume1/

あらすじ

 現代の東京。その伝説的な強さのため、裏社会の人間から「寓話」という意味を持つ「ファブル」と呼ばれる1人の殺し屋がいた。
 その男は幼いころから「ボス」の指導を受け、パートナーの女と共に数々の標的を仕留めてきた。しかし、彼の正体が暴かれるのを恐れたボスは「1年間大阪に移住し、その間は誰も殺さず一般人として平和に暮らせ」と指示する。
 こうして彼は「佐藤明」という名前を与えられ、ボスと古くから付き合いのある暴力団「真黒組」の庇護の元、一般人として大阪での生活を始めるのだった。
 

気になったら試し読み!

 
ザ・ファブル 1巻
南勝久 講談社
500円(税別)
“寓話”と呼ばれし、風変わりな“殺しの天才”が、この町の片隅にひっそりと棲んでいる──。殺しのプロとして“一般人”になりきれ! 野蛮で、滑稽な、大阪DAYS。『ナニワトモアレ』&『なにわ友あれ』の南勝久、銃撃最新作!!!
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主な登場人物

ファブル / 佐藤明(さとう あきら)※偽名

 本作の主人公。幼少時から殺し屋としての指導を受け、物語開始時点で現場に出て6年、計71人を殺害しているが、普段は至って温厚であり、仕事以外の無駄な殺生はしない。訓練により「どんな敵でも6秒以内に殺す」技術を持ち、場所や道具を選ばないオールラウンダー。拳銃は「ナイトホーク」、ナイフは「ブラックホークCQD-MKⅠ」という名前の物を愛用する。
 ボスの指示によって大阪に移住して以降は、暴力団「真黒組」の若頭・海老原の庇護の元でアパート暮らしを始め、小さなデザイン会社「オクトパス」の配送・雑用担当として雇われる。

佐藤洋子(さとう ようこ)※偽名

 明のパートナー。10歳の時に火災で家と両親を失った後、ボスに保護されて指導を受け、1年前から明の運転手やサポートを務めている。ボスの指示により明とともに大阪に移住した。周囲には明の妹ということで通しているが、明の携帯電話に登録されている名前は「他人」。
 休業期間中に恋をすることを目標にしており、様々な男を酒場に誘っては酔いつぶれさせて楽しんでいる。

 

この漫画の特徴

殺しの天才・ファブル 一年間の休業

 銃を持った人間が束になってかかって来たとしても、傷を一切追うことなく完璧に殺しを遂行するその男はある界隈では「ファブル」という名で有名になり恐れられていた。ファブルは今日も仕事を終えてボスの元へ帰還するが、「今年は殺しをやりすぎた」と、ファブルはもちろんファブルの助手兼運転手の女に一年の休業を命じる。
 休業は大阪の真黒組の頭と若頭に世話になり、家を貸してもらえることになる。ファブルは佐藤明、助手の女は佐藤洋子という偽名で兄弟として普通の生活を送ろうとするのだった。


出典:ザ・ファブル 1巻より


 

真黒組・若頭とその部下に狙われるファブル

 頭はファブル達に親切にしてくれるが、真黒組の若頭はまだファブルであることを認めておらず、自分たちの街からファブル&助手を追い出そうと裏で企んでいた。若頭に見張りを頼まれた部下は部屋に監視カメラを仕掛け、常に監視しつつ、またファブルに刺客を向けさせ痛め付けようとする。
 しかし、ファブルは監視カメラの場所を持ち前の勘で察知すると、自分が映る場所のカメラを全て潰す。さらに向けられた刺客にはやり返したり、抵抗するのではなく相手の拳に頭突きして指の骨を折ったり、ムエタイのキックも体を反らせながら当たったように見せかけてダメージを受けたフリを弱い人間を演じながら相手を潰し、うまくその場を収めるのだった。


出典:ザ・ファブル 1巻より


 

ファブルと若頭の直接対決

 若頭の部下、そして部下から向けられた刺客では物ともしないファブルと助手の女。若頭は飯を食おうという名目でファブルを呼び出し、そのまま人気のないある港の倉庫へと連れて行かれる。
 そこにいたのは若頭の部下と傷害・強盗・強姦を行ない組に借金までしている元レスラーの男。ファブルである証拠が欲しいと言う若頭はファブルにレスラーの男を殺せと命じ、仕方ないなとファブルはレスラーの男と対峙、高くジャンプして髪の毛を掴んだ後地面にねじ伏せ喉を殴って男を倒す。
 若頭、若頭の部下はその男がファブルであるという確証を得る。しかし、若頭はなおのことファブルを認めず、レスラーの男同様犯罪行為を楽しんで人を殺しているはずだと決めつけファブルを殺そうとする。それに対しファブルは「楽しんで人を殺したことはない」、「殺せるからって殺したいわけじゃない。」と言いこの街で静かに暮らさせて欲しいと手に持った武器を地面に置いて頭を垂れてそう願った。
 若頭の出した答えは・・・。


出典:ザ・ファブル 2巻より


 

評価・感想

 天才殺し屋が休業し一般人になるという話。テーマとしては超人系主人公モノのイメージで、主人公の素性を知らない生意気な一般人やヤクザを負け知らずの主人公が圧倒するという描写が多くある。ヤクザとの殺し合いはアクション漫画そのもので迫力や流動的な動作の描写がとてもかっこいいが、殺し屋を休業することになり、主人公が自分の強さを隠し揉め事を避け、普通の人間として生きていこうとするヒューマンドラマ的側面もある。さらには助手の女との日常のコメディーも面白く、題材は"殺し屋"とダーティーなものだが意外にも万人ウケできる内容だと感じた。

 この漫画の面白いところは2点ある。1点目はシリアスな場面での主人公の行動が笑いをとっているわけではないのに面白く笑えてしまうという点だ。例えば主人公が、ヤクザの刺客に襲われた時のこと。主人公はボス、そして助手の女に暴れてはならないと散々言われていたがヤクザの刺客は自分を痛めつけないと気が済まないという様子、でも自分もやられたくはないし・・・。そして主人公がとった行動が相手の攻撃に合わせて反撃をし、相手の攻撃に合わせてかわし痛くもないのに悲鳴をあげて相手を満足させるということ。主人公が攻撃を対処するまでは緊張感がある場面だったが、痛くもないのに悲鳴をあげる姿に一気にコメディーに連れて行かれ、クスリと笑えてしまう。
 2点目はこれまで仕事として命を奪ってきた主人公が動物を飼い、その小さな命に触れることで命の重みを知るという点。今後、再び殺し屋の仕事が復帰した時にこの時の感情がどう生かされるのか気になるという点で面白いと感じた。どこかでペットを飼っていた事象がキーワードとなり、殺し屋に支障をきたす展開やターゲットだけれども見逃したりなど今までの主人公のやり方とは違う何かが芽生えるのではないかという面白い展開に期待したい。

 以上、ザ・ファブルの評価・感想でした。漫画表紙は床屋の本棚にあるような一見手に取りづらい感はあるが、読んでみると結構面白く満足度も高い。気になったら是非とも読んでみてほしい。

評価点:90点
しょーり

しょーり管理者 兼 ライター

投稿者プロフィール

ライターのしょーりです。

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  1. good article very hopeful

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