『ギフト±』の評価・感想 闇の臓器売買を題材にした超絶ダーク漫画!

ギフト±とは?

  • 『ギフト±』(ギフトプラスマイナス)は、ナガテユカによる日本の漫画。『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)にて、2015年4月3日号(同年3月20日発売)から連載中。単行本は「ニチブン・コミックス」より刊行されている。
     
  • 2018年6月現在、紙媒体と電子媒体を合わせて累計発行部数200万部を突破している。
     

表紙画像・出典:http://www.ebookjapan.jp/ebj/322179/volume1/

あらすじ

 女子高生の鈴原環は交友関係を持たず、無為な日々を過ごしているが、裏では凶悪犯を解体し、正規のルートでは臓器移植を行えない者のために臓器売買を行っていた。
 その彼女を巡り事件が起きる中、探偵の阿藤圭介は臓器売買の事件の真相に迫るも元同業者の加藤警部に殺害されてしまう。彼の遺志を継いだ恋人・桜田と暴露記事を潰された気鋭の記者・廣瀬直也が臓器売買と「たまき」を巡る事件を追う。

気になったら試し読み!

 
ギフト± 1巻
ナガテユカ 日本文芸社
ジャンル:青年マンガ
450円 (税別)
鈴原環は女子高生にして狩りのプロ。その標的は、人…! 更正を期待出来ない犯罪者と、その肉体を必要とする患者。需要と供給が一致した時、少女の“仕事”が始まる! 鬼才・ナガテユカが渾身の筆致で問う命の価値とは!? 日本の地下社会で極秘裏に行われる“臓器売買”の闇に迫る衝撃作!!
ebookjapan BookLive! 楽天

 

主な登場人物

鈴原環(すずはら たまき)

 本作の主人公。独善的な死生観を持ち、反省や更生が見込めない大人をターゲットにして意識のある人間を生きたまま解体し、タカシの臓器売買を支える。
 「臓器提供者(ドナー)」としてこの世に生み出された「デザイナーベビー」である。亡き秋光正の15歳の妾・真琴が死に際に宿していた受精卵を採取・冷凍保存をされ、人間扱いされることはなく代理母出産により「受給者(レシピエント)」である渉に対する「ドナー」として造られた。そのため、戸籍が無い。

秋光崇(あきみつ たかし)

 臓器売買グループを取り仕切る男子大学生。組織を運営する資金力や人脈を持ち、ハッキングや現場へ出向き情報収集も行う。
 極秋会病院を運営する秋光家の2代目当主・聡の次男とされている。しかし、会長である祖父・秋光正と、当時15歳だった妾・鈴原真琴という少女の間に生を受けた。正嫡の異母兄・聡の実子・渉が病弱であるため、異母兄弟でありながら兄の次男として迎えられ、甥の義弟として戸籍を手に入れた。当初は渉に心臓を移植すべく環より先に造られた「デザイナーベビー」だったが、移植可能な年齢に達しても渉の体力が手術に耐えられないと判明し、移植は見送られている。

英琢磨(はなぶさ たくま)

 元医師で「英医院放火殺人事件」の犯人として指名手配されている。闇医師「林」としてタカシの臓器売買と密接な関係にあり、手術に必要な新鮮な臓器を提供して貰っている。しかし、タカシに捜索協力を要請してまで捜す環が「解体」を担ってタカシの元にいることは知らない。
 叔父である英医院の院長・英幾雄が環は心臓が健康なのに移植手術を行ったことを知って殺害されそうになるが、意識が戻った際、環が幾雄を解剖している姿を目撃。彼女を守るため、証拠隠滅に放火して警察に追われる身となった。

 

この漫画の特徴

悪い人間を捕まえて臓器を奪う臓器売人&解体屋

 命は神様からの贈り物だから、大事にしなきゃダメと言う主人公・鈴原環は刑務所から出てもなお犯罪を犯したりと更生に失敗した人間や罪もない人間をいた見つけることを楽しむ人間を「鯨」と呼び定期的に捕獲している。捕獲した悪人は秋光崇によってDNAや血液型に合うか適合検査を行い、環によって生きたまま解体。たとえ、意識があったとしても関係なく解体を進められる。解体を終えた環は笑って「これも人助けだよ」と言うのだった。
 そして環の手によって綺麗に解体された悪人は調査捕鯨のように体の隅々無駄なく再利用され、臓器は崇が贔屓にしている闇医者へと流れていく・・・。


出典:ギフト± 1巻より

 

臓器売買をビジネスにする中国の売人が林のもとを訪れる

 中国では臓器売買に関してこれまで「安くて早く」がうりだったが、最近は売り上げが悪くなってきている。その理由は金持ちは「安くて早い」よりも、臓器の品質を求めるようになり、加えて中国では汚染問題が深刻であり金持ちは中国人の内臓を買わなくなっていった。そこで、清潔で安全な日本人の臓器が今後重要視されると中国の臓器売買グループは事業のさらなる拡大を目指し、闇医者・林(英琢磨)に協力を求めてきた。
 しかし、環と崇の2人とは違い、臓器だけにしか目がいっておらず命を商品としか見ていない中国人に林は「大陸に帰れ、これ以上我々の漁場を荒らすな」と協力を完全拒否するのだった。
 ところがそれに納得がいかない中国人達は林を拉致して・・・。


出典:ギフト± 2巻より


 

捕っていい鯨と捕ってはいけない鯨

 環と同じ学校に通っていた一年後輩の佐藤若菜が中国の臓器売買グループによって臓器を抜かれて殺された。環との関係は若菜がいじめられていたのを環が助けただけの関係だったが、葬式に出向いたりと環は少し悔しい思いを滲ませていた。
 その後、環は中国臓器売買グループのリーダー・リュウに捕まり犯されそうになったその場所で自分の通っている高校のボタンを見つける。直感的に佐藤若菜がそこで殺され、臓器を抜かれたのだと理解した環はリュウはもちろんリュウに協力した女もまとめて捕獲。
 罪もない人を殺し臓器を奪う行為は自分たちの理念に反すると、環は2人を「鯨」として解体する・・・。


出典:ギフト± 2巻より


 

評価・感想

 闇の臓器売買を題材にした少し変わった解体屋主人公をめぐるそこそこにダーティーな内容の漫画。主人公達は生きている人間、時には意識がある人間をそのままの状態で解体し、新鮮な臓器を得て裏で流す闇のブローカーであるが、あくまで臓器を奪う人間は刑務所から出てきたのに更生が見られない人間だったり、バットで突然人を殴るような精神のおかしな人間だったりと世間一般的に悪人と呼ばれる人間に絞っているダークヒーロー的ポジションを守っている。
 そのため同業者でもむやみやたらに人を傷つけ臓器を奪う集団には非常に嫌悪し、時にはその集団もまた解体の対象となっていく。

 内容はもちろんフィクションだが、実際にありそうな高いリアル性と最低最悪の悪人が無残に解体されていく爽快感がこの漫画の見所。さらに臓器売買や主人公・環とパートナーの臓器を提供するだけのために生まれてきたという壮絶な過去といった、"世界の闇の部分"がいい意味で気持ち悪く描かれておりダークファンタジー好きの人にとってはかなりオススメの漫画です。
 ただ、やはり臓器移植、解体、殺人などなどどうしてもダーティーな要素が強く、またリアルなためグロい系の漫画が苦手な人には当然お勧めできないです。

評価点:82点
しょーり

しょーり管理者 兼 ライター

投稿者プロフィール

ライターのしょーりです。

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