『亜人ちゃんは語りたい』の評価・感想 キュートな悩みを抱えるキュートな亜人のコメディー漫画!

亜人ちゃんは語りたいとは?

  • 『亜人ちゃんは語りたい』(デミちゃんはかたりたい)は、ペトスによる日本の漫画作品。『ヤングマガジンサード』(講談社)にて創刊号から連載。
     
  • 第2回次にくるマンガ大賞コミックス部門・第2位。
     
  • 2016年9月3日にアニメ化が発表され、2017年1月から3月まで放送された。AT-X以外では、本編第1話の前に、メインキャスト出演の放送直前お正月特番「亜人ちゃんは祝いたい」が放送された。
     

表紙画像・出典:https://www.ebookjapan.jp/ebj/301623/volume1/

あらすじ

 神話やおとぎ話のモチーフとなり、かつて怪物や妖怪などと称され迫害されていた、「亜人」と呼ばれる特別な性質を持つ人間たちが、世間に「個性」として認められ、一般社会に自然に溶け込んでいる世界。現在では、社会的な弱者である亜人に対する「生活保障」が整備され、若者たちには亜人のことを「デミ」と可愛く呼称するまでになっていた。
 新学期、大学時代から亜人に興味をもっていた高校の生物教師の高橋鉄男は、これまで一度も出会ったことのない亜人たちに、突如として囲まれる生活を送ることになる。おしゃべり好きでお調子者な「ヴァンパイア」の小鳥遊ひかり、頭と胴体が分離している「デュラハン」の町京子、暑さに弱い「雪女」の日下部雪といった1年生の生徒たちや、地味な服装にして異性を避けている「サキュバス」の新人教師佐藤早紀絵。
 彼女たちは、それぞれに「亜人としての悩み」を抱えながら日常生活を続けており、当初はただの興味の対象としか見なさなかった鉄男は次第に教師として、同僚として、彼女たちの話を聞きながら問題に向かい合っていく。本作は、日々の高校生活の中で繰り広げられる、個性的な亜人たちとの交流で織り成される学園コメディーである。

気になったら試し読み!

 
亜人ちゃんは語りたい 1巻
ペトス 講談社
500円(税別)
僕らと少しだけ違う「亜人」、最近では「デミ」と呼ばれています。(demi-humanから来てるらしい)。キュートな悩みがあるのです。規格外新人ペトスが描く、とびきりカワイイハイスクール亜人コメディ!
ebookjapan BookLive! 楽天

主な登場人物

高橋 鉄男(たかはし てつお)

 本作の主人公。県立柴崎高等学校の生物教師。年齢は30歳前後。着任4年目。大学では生理学を専攻。
 亜人に興味があり、学生時代に亜人を対象とした卒業論文を執筆しようとしたが許可がおりず断念、就活が嫌で取得していた教員資格を使って教職に就いた。その後も亜人への興味は尽きなかったが、元々数が少ないため半ば諦めていたものの、赴任4年目にして多くの亜人と関わる機会に恵まれた。
 亜人たちからの相談を受け続けるうちに校内での亜人専属のような立場になっていく。さまざまな亜人特有の性質について突っ込んだところまで質問するなど、亜人との関わり方は半ば手さぐりに近いが、悩みがあれば相談に乗るなど心優しい一面を見せる。ただし探究心が強すぎて、考え事をし始めるとデリカシーを忘れてしまうという欠点も持つ。

小鳥遊 ひかり(たかなし ひかり)

 バンパイアの少女。1年B組。好物はレバーとトマトジュース。
 明朗快活で人懐っこい反面で、ズボラ、おしゃべり好き、かついたずら好きな性格。生まれつき皮膚や髪の色素が薄く、それが自身の名前の由来でもある。恋愛経験はないが興味はあり、若干耳年増。学業成績は芳しくないようで、高橋からも「赤点は回避してほしい」と心配されていたが、結局一学期の中間試験では赤点を3つも取ってしまった。亜人同士で同じクラスの町や、A組の日下部と仲がよく、3人の中ではムードメーカー。
バンパイアの性質上貧血になりやすいようで、国から月一で血液のパックを支給される他は、食事に気を付けることで問題を回避している。よく人に噛み付きたい欲求を感じ、よく妹の腕をガジガジして解消している。

町 京子(まち きょうこ)

 世界に3人しかいないとされるデュラハンの少女。1年B組。
 第一話から登場しているが、その時は風邪で体だけ廊下にへたり込んで頭部だけ先に保健室に運ばれており、顔も登場したのは第四話からとなった。
 頭部と胴体はかなり引き離しても大丈夫で、本人曰く、最大で東京から岡山まで離れたことがある。胴体の感覚は頭の方でも感知できるが、視認や周りにあるものを触らないと具体的に何が起きているかは分からない。ただし一旦触れば見ていなくても器用に扱えるようになるため、筆談の訓練によって目で見なくても文章を正確に書くことができる。なお、安全のためには頭部を両手で抱える必要があるため、学校からは特別にリュックサックを背負って通学する許可をもらっている。

日下部 雪(くさかべ ゆき)

 雪女の少女。1年A組。雪国の田舎出身で、中学卒業後に今の町へ引っ越してきた。成績は中の上。妹がいる。
 雪女の体質として、氷の涙を流す・凍った冷や汗をかく・周囲に冷気を発生させるなどがある。さらに汗腺が非常に少なく体温調節が下手で、平熱が低く暑さに弱いため体育の授業に軽い熱射病で倒れたことがある。
 周囲には隠しているが下ネタやギャグ漫画が好きという一面も持っており、高橋とひかりの漫才めいたやりとりを目にした時などはしばしば笑いを噛み殺している。ひかり・京子を加えたデミ三人娘の中ではツッコミ役に回ることが多く、ひかりのボケや京子の天然に容赦ないツッコミを入れている。料理が得意。

佐藤 早紀絵(さとう さきえ)

 サキュバスの女性。24歳。数学教師として芝崎高等学校に赴任してくる。普段はジャージ姿に眼鏡、髪を結うという色気のない恰好をしているが、髪を下した素顔はかなりの美人でスタイルもいい。ひかりたちからは、恋愛経験豊富な大人の女性と思われているが、実際は彼氏いない歴=年齢で恋愛経験値ゼロ。柔道経験者。
 サキュバスの特質として、相手を催淫させてしまうという性質がある。基本的に自制が効くようで、自分なりに性を想起させない身なり・振る舞いをし、気を確かにもつことで万が一のトラブルを避けている。ただし、自制のきかない睡眠時は他人に淫靡な夢を見せてしまう。

この漫画の特徴

亜人が集まる学校で・・・

 柴崎高等学校に生物教師として勤めている高橋鉄男はサキュバス、デュラハン、ヴァンパイアといった亜人に興味を持ち、かつては大学の卒業論文まで執筆しようとしたほど亜人に執着していた。理由は単に亜人に会いたかったからであり、今もその夢を持ち続けていたのだった。
 そんなある日、突然、赴任してきた女性教師の佐藤早紀絵が自分が亜人であり、サキュバスであることを告白した。簡単に会えるものではないと思っていた鉄男は一気に拍子抜けする。
 さらに、体調の悪い新入生・町京子は首のないデュラハンだったり、A組で倒れた女子は雪女だったり、鉄男を呼びにきた女子・小鳥遊ひかりはヴァンパイアだったりと鉄男は二体目三体目四体目と次々多種の亜人と出会ってしまうずっと亜人に出会いたいと願い続けてきた胸中は複雑なものであったが、やはり亜人と出会えたことは喜ばしいことであり、鉄男は学校に集まってきた亜人ちゃん達と語りたいと思うのだった。


出典:亜人ちゃんは語りたい より


 

亜人達と語り合う

 鉄男と出会い、理科準備室にたむろし居座るようになったヴァンパイアの小鳥遊ひかり。そんなひかりに涼ませてやっている場所代としてヴァンパイアのことについて語り合う。血を飲むことで有名なヴァンパイア、ひかりはというと国から月一で血が支給されそれを飲んでいるという。ただ、血を飲まなくては生きていけないということではなくあくまで嗜好品として嗜むレベルのものらしい。
 また、ひかりには血を飲みたくなる相手の特徴というのもあり、近くの人物だと体が冷たくで気持ちのいい雪女・日下部雪の血を飲んでみたいのだという。では女子の血しか飲まないのか?と鉄男は疑問に思いひかりに問う。回答は必ずしもそうではなく、ひかり曰く「自分は恋をしたことがないから」だと言い、その理由は血を吸う行為はある程度性を想起させる表現で同性で妄想するのは冗談で済ませるけど異性に対してはまだ引け目があるかな〜ということらしい

 数学教師・佐藤早紀絵はサキュバスであり、相手を催淫し、自分に対する性欲を亢進させる性質をもつ亜人。ただサキュバスの性質は基本的に自制が利きなるべく性を想起させない身なり、振る舞いをし、常に気を確かにもつことで触れられた場合もエロい想像を相手にさせる程度で済む。
 ある時、廊下で転びそうになる早紀絵。そこへ鉄男が現れ早紀絵の手をとり、声をかけるも鉄男はサキュバスの催淫に一切かかっている様子なく紳士的に振る舞う。そんな全く催淫されていない姿に新鮮味を感じ、鉄男に興味をもつ早紀絵だったが、実際は腰が抜けるほど鉄男は催淫されており平静を無理やり保ち立ち去ることで精一杯だった


出典:亜人ちゃんは語りたい より


 

亜人に対する高橋鉄男の見解

 学校からの帰宅時、鉄男は小鳥遊ひかりの妹・小鳥遊ひまりが偶然帰り道が一緒になる。
 ひかりを介して顔なじみになった2人だったがひまりは鉄男のことをまだ信用しておらず、その理由は「先生は自分の亜人に対する興味を優先して姉・ひかりを実験のサンプルのように見ているのではないか?」という考えがあったからだった。
 そこでひまりは鉄男に亜人の性質については興味はあるようですが姉・ひかりの人間性については興味はありませんか?と訊く。鉄男はその問いに、ひかりの人間性がヴァンパイアらしさであり人間としての個性である、そしてらしさとは生まれ持った性質ではなく性質を踏まえてどう生きているかということ。そして教師として「亜人の性質」だけを見ていると個性を見失う、「人間性」だけ見ていると悩みの原因にたどり着けない、どっちの理解も大切であり、その理解バランスが大事だと自分の考えを説明する
 ひまりは鉄男の考えに共感を示し、高橋先生ならば頼っていいかもしれないと思うようになるのだった。


出典:亜人ちゃんは語りたい より


 

評価・感想

 亜人好きでいつか亜人に会うことを夢としていた男性教師の前に一度に複数体の亜人が教員&生徒ととして学校に集結。男性教師は生徒の教師&同僚として亜人達と関わり合いを持ち、彼女らの悩みや考えを共有し語り合うコメディー漫画。
 人を怖がらせたり、敵として襲ってきたりの印象が強い亜人だが、本作ではもちろん敵ではなく、亜人達は生まれた時からただそういう特殊な人間として扱われ、世間もそういった亜人に一定の理解があるという設定で話は進む。もしそんな亜人が周りにいた時、周囲はどう思うのか、亜人本人はどう考えるのか?という疑問を解決するような漫画で、主人公の行動と意見交換によりそれが実現する。他作品で出現する亜人の存在を深掘りするような作品であり、ヴァンパイアやデュラハンなどに多少でも興味があれば面白いと感じるはず。

 この作品の面白いところは、上記でもあるように敵で現れ倒れていく亜人達の生活や考え方など、本来フォーカスされない部分を取り上げているのが興味深く面白い。加えて、ヴァンパイア×女子高生等の組み合わせにより女子高生の魅力とヴァンパイアの魅力の両方を掛け合わせた描写(この漫画の特徴)に作者の工夫を感じられ、単なる亜人紹介漫画になるのが防がれ、丁度いいほのぼのコメディーになっている点も好印象。
 ただ、登場する亜人の数が固定されているのと、亜人と女子高生達の特徴を掛け合わせるのをそういくつも考えるのは難しいのではないかと思いもあり、中途半端な女子高生日常漫画にならなければいいなと個人的に思いました。

評価点:84点
しょーり

しょーり管理者 兼 ライター

投稿者プロフィール

ライターのしょーりです。

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