『ダンス・ダンス・ダンスール』の評価・感想 バレエをしてたら男らしくない!?この漫画を見てから言え!

ダンス・ダンス・ダンスールとは?

  • 『ダンス・ダンス・ダンス―ル』は、2015年に小学館の『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載開始
     

表紙画像・出典:https://www.ebookjapan.jp/ebj/361403/volume1/

あらすじ

 村尾潤平がまだ小さかった頃、一人の男性ダンサーのバレエを目撃し一瞬で魅了され、バレエを始める。
 しかし、バレエをバカにする同級生の言葉に男らしさというものに疑問を持ち、そして、父の死をきっかけに「男らしくならねば」とその道を諦めてしまうのだった。

 それから時が流れ、潤平は中学2年生に。
 バレエへの未練を隠しながら格闘技・ジークンドーを習い、クラスの人気者となった潤平だが、彼の前に、ある日転校生の美少女・五代都が現れる。母親がバレエスタジオを経営する都に、バレエへの興味とセンスを見抜かれ、一緒にやろうよと誘われるが――!?
 すべてを犠牲にしたものだけが、立つことを許される世界。重力に逆らい、美しく高く跳ぶものたちよ、抗いがたきその衝動に、身を捧げよ――

気になったら試し読み!

 
ダンス・ダンス・ダンスール 1巻
ジョージ朝倉 小学館
550円 (税別)
主人公・村尾潤平は中学二年生。幼い頃にバレエに魅了されるも、父の死をきっかけに「男らしくならねば」とその道を諦める。バレエへの未練を隠しながら格闘技・ジークンドーを習い、クラスの人気者となった潤平だが、彼の前に、ある日転校生の美少女・五代都が現れる。母親がバレエスタジオを経営する都に、バレエへの興味を見抜かれ、一緒にやろうよと誘われるが――!? すべてを犠牲にしたものだけが、立つことを許される世界。重力に逆らい、美しく高く跳ぶものたちよ、抗いがたきその衝動に、身を捧げよ―― 女性誌界のトップランナー・ジョージ朝倉が描く、王道のドラマチック・バレエ・ロマン、開幕!!!!!
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主な登場人物

村尾 潤平(むらお じゅんぺい)

 本作の主人公。岩倉中学校2年生。昔から格闘技・ジークンドーを習い、その技をよく友達に披露する。調子の良さからクラスの人気者でもあり、バンドやサッカー部活動の活動に勤しんでいた。
 昔に興味を抱いたバレエに心の奥底では関心があり、五代都に天才、そしてバレエ教室の先生でもある都の母にバレエダンサーになる人間でしょ?と才能を買われバレエ教室に通うことになる。
 夢はバレエ大国・ロシア最高峰のカンパニーで日本人初の「ダンスール・ノーブル(王子役)」になること。

五代 都(ごだい みやこ)

 本作のヒロイン。岩倉中学校2年生。2年生になるタイミングで引越しし、潤平と同じクラスに在籍。ピアノが達者でクラスの美少女。
 実家は母が先生のバレエ教室をしており、自らもそこの生徒である。潤平のジークンドーの動きにバレエのジャンプ「540」が混じっていることを見抜き、潤平のバレエへの興味を再燃させたキーパーソン。潤平を誘った理由は潤平に才能があると思ったから、ともう一つが従兄弟のるおうと切磋琢磨できる仲間になるんじゃないかということだった。

森 流鶯(もり るおう)

 岩倉中学校2年生。潤平に影を追わせるほどのバレエ上級者。母がロシア人とのハーフであり本人はクォーター。都のいとこ。英語は堪能だが他の教科は学校に通っていなかったということもあり成績は低い。
 海外の著名な先生の指導を受けたいという目的を手伝う代わりに都の母が提示した条件”学校へ行くこと”を達成しようとする。しかし、母は良い経歴を持たない個性派女優・森真鶴であり、また口数が少ないことからクラスメイトからのいじめの対象となる。
 潤平とは真逆の人物であり、潤平の今まで抱えてきた男らしさやかっこよさというものの答えを明示した。
 

 

この漫画の特徴

男らしさとは? バレエの才能を持ち憧れる主人公の葛藤

 村尾潤平がまだ小さかった頃、親に連れられ姉の通うバレエ教室の発表会を見に行った。
 姉の発表は寝過ごしてしまう潤平だったが、発表会特別プログラムで踊る一人の男性ダンサーのバレエを目撃し潤平は一瞬で魅了されてしまう。それからというものの潤平のバレエへの興味は親すらも納得させるものですぐにバレエを習い始める。ところが、ある日同級生に”バレエを習っているの?男なのに?”とバカにされてしまったこと、そして憧れだった父の死より男らしく生きなくてはならないという考えを持つようになり”男らしくない”バレエはやめてしまうのだった。

 それから、数年後、中学2年となった潤平は格闘技・ジークンドーを習い、その成果をクラスメイトに披露したりと自分なりの男らしさ&かっこよさを追求していた。そんなある日クラスの美少女・五代都が家まで訪ねてくる。「告白フラグか!?」と期待する潤平だったが、彼女はその期待に反して潤平にクラスメイトみんなの前で見せたジークンドーのジャンプ技を見せて欲しいとお願いしてくる。
 都の言葉に従いなんの迷いもなく技を披露する潤平。都は潤平のそのジャンプがジークンドーではなく、バレエの「540(ファイブフォーティー)」であることをすぐに見抜いていた。実は都の指摘通り、潤平はかつて自分を魅了したバレエを心の奥底では諦めきれていなかったのだった。
 一緒にバレエをしようと誘ってくる都に連れられて都の母が経営するバレエ教室へと連れてこられる潤平。都母になじられ思わず踊ってしまうも「バレエではない」辛辣な言葉を浴びせられてしまうバレエはしていなかったとしても情熱は枯れていなかった潤平にとってその言葉は悔しく恥ずかしいもので家に帰ってからは秘密の特訓に勤しむのだった。
 一方、潤平に落第を押し付けた都母はというと、本人の前ではああ言ったものの夜も眠れないほどの熱いものを潤平から感じ取っていた・・・。


出典:ダンス・ダンス・ダンスール より


 

別格で遠い存在に見えたかっこいいライバル。しかし、学校ではカッコよくなくて・・・?

 都に再びバレエへの道を見出され、都母に導かれ、再びバレエの世界へ戻ってきた潤平。10歳から初めていなくてはバレエの世界では厳しいというが、持ち前の運動神経と元々バレエに向いている体、そしてジークンドーに鍛えられた体幹の強さが功を奏し、発表会の王子役に抜擢されることになった。
 そこで、潤平に王子の手本を見せたのが、都のいとこで同じに家に住む森流鶯。るおうは小さい頃からバレエをやっており、当然潤平よりは上手く、演技はもちろんバーレッスンもセンターレッスンも潤平曰くヒトとサルくらいの違いがあった。自分よりも王子役に相応しいるおうの演技を見たことで、王子役に自信が持てなくなり、そして練習ではいつの間にかるおうの軌道を追っていたりと潤平は自分の目指す王子というものがわからなくなっていってしまう。

 そんなある日、不登校になっていたるおうが都母の出した条件を飲み学校へと通い始める。るおうの突然の登校に自分がバレエをしていることがバレてしまうのではと焦る潤平だったが、そんなことをするまでもなくるおうはクラスメイトからいじめにあってしまう。スタジオで見たときはもっと堂々として腕の一掻きだけで物語が作ってしまうようなすごい人間だと思っていたのに、学校ではカッコ悪い・・・。いじめられるるおうの姿に幻滅し潤平は「なんなんだよ」と口にする。


出典:ダンス・ダンス・ダンスール より


 

「男らしい」,「かっこいい」っていうのは・・・

 かっこいい、男らしいってなんだ? 潤平は今もまだその疑問の答えを出せずにいた。
 その日、潤平や都の通う学校は合唱コンクール当日だった。一年生が歌い終わり、次は2年1組が歌う予定だったが、いじめの加害者達にセーラー服を着させられたるおうが昔アイドルだった実の母の曲が流れる中、ステージに放り出される。
 どよめく全校生徒は雰囲気に飲まれてステージ上のるおうに「歌え」と無茶な掛け声を浴びせる。その時だった、るおうは上履きを脱ぎ飛ばし突然バレエを踊り始めた。セーラー服を着ててもなお迫力のある踊りに全校生徒はもちろんいじめの加害者達も目を奪われ館内は微妙な空気になるが、潤平だけはるおうの踊りをみて感激し、男らしさの答えに辿り着く。
 「男らしい」っていうのは「かっこよさ」っていうのは、自分を貫けること潤平は友達にバレエをしていることを恥ずかしくて口に出せなかったが、その答えに辿り着いて以降、本気でバレエに取り組んでいることを友達に告白することを躊躇わなくなった。


出典:ダンス・ダンス・ダンスール より


 

 しばらくの間、都母のバレエ教室をサボっていた潤平はやっと答えを見つけ、久方ぶりにスタジオに顔をだす。再び王子役の指南を受ける純平、ロットバルトの方がいいと安易に口にするが、都母は「王子役こそバレエの頂点、全ての資質を兼ね備えた努力では到底たどり着けない領域」、そして潤平にはその資質があると言う。
 バレエ大国・ロシア最高峰のカンパニーで、「王子」を踊った日本人はまだいない。ならば、自分がそこで日本人初の「ダンスール・ノーブル」になると潤平は宣言。都母はそれを笑うが、都母もまた潤平と同じ絵空事を思い描いていたのだった


出典:ダンス・ダンス・ダンスール より


 

評価・感想

 男子中学生がバレエに取り組み、バレエの最高峰「王子役(ダンスール)」を目指すという話。主人公のバレエへの関心と興味は誰よりも強く才能もかなりのものを持っていた、がしかし、バレエ=女がするものであり男らしくないという周囲の偏見によって真摯に取り組むことを拒んだりと思春期男子特有の葛藤が描写されるのもバレエを題材にするこの漫画の特徴的な部分だろう。
 バレエは勝敗の表現など難しく単に他のスポーツ漫画のような友情努力バトルなどは描かれないのでは?と思ったが、明確な勝敗はでないにしてもバレエでのバトルや努力友情など他漫画と同じくらい描写され、しかも他の漫画に比べて登場人物たちの表情が多彩、かつ、演技中のポーズなど独特な絵と相まってかなり迫力と流動感がある。見開きページ全てを使った描写には特にそれが感じられ漫画の面白さ以上に芸術的な印象を受けるはず。

 本作はスポーツ漫画としての要素はもちろん、それに加えてヒューマンドラマ漫画の面白さもある。序盤は特に顕著で、男らしくいなければならない、かっこいいことをしていたいという思春期特有の考えに共感させられ一気に物語に引き込まれる。そして、主人公がついにその考えの呪縛から解き放たれるように男らしさの定義を発見した時の描写は非常に感動的。
 しかも、それがライバルの行動とバレエによって教えられるという点もGOOD。スポーツからではなく、情や恥といった別の角度からバレエを魅せる技とストーリーが非常に面白いと感じた。
 文句なしで老若男女誰にでもおすすめ。ぶっちゃけかなりレベル高いです!

評価点:99点
しょーり

しょーり管理者 兼 ライター

投稿者プロフィール

ライターのしょーりです。

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